No.150 《室生寺 (むろうじ)》

〔奈良県宇陀市室生〕
【平成24年8月15日(水)撮影】

《室生寺(むろうじ)》

 室生寺は、奈良県宇陀市にある真言宗室生寺派大本山の寺院。
山号を宀一山(べんいちさん)と号する。
開基(創立者)は、、賢きょう(けんきょう)、本尊は釈迦如来である。
奈良盆地の東方、三重県境に近い室生の地にある山岳寺院である。
宇陀川の支流室生川の北岸にある室生山の山麓から中腹に堂塔が散在する。
平安時代前期の建築や仏像を伝え、境内はシャクナゲの名所としても知られる。
女人禁制だった高野山に対し、女性の参詣が許されていたことから「女人高野」の別名がある。
なお、山号の「宀一」は「室生」の略だという。
仏塔古寺十八尊第十八番。


1◆ 太鼓橋

鮮やかな朱色の「太鼓橋」


2◆ 太鼓橋と表門 

「表門の石標」にある「女人高野室生寺」は「女人禁制の高野山」に対して。


3◆ 仁王門(赤門)

「仁王門の石標」には「女人高野 大本山室生寺」とある。


4◆ 鎧坂(よろいざか)と金堂

自然石が積み上げられた急坂の「鎧坂」


5◆ 金堂(国宝)

屋根は寄棟造、柿葺き。桁行(正面)5間、梁間(側面)5間(「間」は長さの単位ではなく柱間の数を意味する)で、桁行5間、梁間4間の正堂(しょうどう、内陣)の手前に、梁間1間の礼堂(らいどう)を孫庇として付した形になる。孫庇部分は片流れ屋根となり、両端を縋破風(すがるはふ)として収めている。堂は段差のある地盤に建っており、建物前方の礼堂部分は斜面に張り出して、床下の長い束(つか)で支えている。このような建て方を「懸造(かけづくり)」と言い、山岳寺院によく見られる。正堂部分は平安時代前期(9世紀後半)の建立であるが、鎌倉時代末期に大修理を受け、多くの部材が取り替えられている。


6◆ 弥勒堂

入母屋造、柿葺き。
桁行3間、梁間3間。鎌倉時代前期の建築だが、江戸時代に大幅に改造されている。
堂内中央の厨子に本尊弥勒菩薩立像(重文)を安置し、向かって右に釈迦如来坐像(国宝)を安置する


7◆ 本堂と五重塔

《本堂(灌頂堂)》

入母屋造、檜皮葺き。桁行5間、梁間5間。室生寺の密教化が進んでいた鎌倉時代後期、延慶元年(1308年)の建立。
梁間5間のうち、手前2間を外陣、奥の3間を内陣とする。
この堂は灌頂堂(かんじょうどう)とも称され、灌頂という密教儀式を行うための堂である。


8◆ 五重塔

800年頃の建立で、木部を朱塗りとする。
屋外にある木造五重塔としては、法隆寺塔に次ぎわが国で2番目に古く、国宝・重要文化財指定の木造五重塔で屋外にあるものとしては日本最小である。
高さは16メートル強、初重は1辺の長さ2.5メートルの小型の塔で、高さは興福寺五重塔の3分の1ほどである。


9◆ 奥の院 位牌堂


10 ◆ 奥の院御影堂と七重石塔

 「御影堂(みえどう)」は鎌倉時代に建立され、「弘法大師」をお祀りされております。
宗派によっては「ごえいどう」といいます。御影堂は「開山堂」とも言われます。
 奥の院御影堂は三間堂、瓦棒付の厚い流板(ながしいた)の二段葺きです。
四方は中央に扉、両脇は白壁となっております。露盤は石造という珍しいものです。
 縁が廻っておりますが屋根の出をこれ以上深くするわけにいかず、縁に雨が掛かる
のを防ぐため斜め板が置かれております。
 左上方に石造の七重塔が見えます。



2011年08月15日