No.158 《最上稲荷》

〔岡山県岡山市北区高松稲荷712〕
【平成26年2月2日(日)撮影】


● 最上稲荷 

数多くの伝説とロマンを秘め、古代から豊かな文化を花開かせてきた吉備の国。
雄大な造山古墳に代表される古墳群や、桃太郎伝説の舞台としても知られています。
また備中国分寺・国分尼寺など数多くの寺社が点在し、戦国時代には羽柴秀吉の備中高松城水攻めの舞台となるなど、数多くの歴史物語に彩られた吉備平野。
今なお豊かな野山が広がり、その風景は訪れる人々の郷愁を誘います。

 その風光明媚な田園にたたずむ、高さ27メートルにも及ぶ巨大な">大鳥居が出迎えてくれる最上稲荷。
正式名称は「最上稲荷山妙教寺」。
明治の神仏分離令の際、特別に「神仏習合」の祭祀形態が許された、仏教の流れを汲む貴重な稲荷です。
そのため、お寺でありながら鳥居をそなえ、神宮形式の">本殿(霊光殿)があるなど神仏習合時代の形態を数多く残しています。

● 最上稲荷 大鳥居

最上稲荷のシンボルのひとつで、昭和47年(1972)に建立。

高さ27.5m、柱の直径4.6m、総重量2800tの規模を誇る。


● 参道口


● 仁王門


旧仁王門が昭和25年(1950)の山火事で焼失したため、中興350年記念事業として再建が計画され、 昭和33年(1958)に完成した。
インドの殿堂様式で建造された石造りの仁王門は珍しく、平成21年(2009)に登録有形文化財に指定されている。


● 本堂(霊光殿)

 
 
開山千二百年記念事業として計画され、5か年の歳月を経て昭和54年(1979)に完成。
代表的な行事の舞台となり、年間約300万人もの参詣者をお迎えする当山の信仰の礎となる殿堂の代表です。
また、本殿前には長さ約 12m、総重量1.5tの大注連縄がかけられています。


● 縁の末社(えんのまっしゃ)

 縁引天王(えんびきてんのう)と離別天王(りべつてんのう)をお祀りするエリアです。男女の縁だけでなく仕事や学業など様々な福縁を結ぶ良縁成就、人間関係に限らず病気や悪癖など諸々の悪縁を絶つ縁切りを祈願します。


 ● 旧本殿(霊応殿)

寛保元年(1741)年に再建された建物で、新本殿建立の際に曳家工法で当地に移された。
当山最古の木造建築物で、最奥の建物が平成16年(2004)岡山市重要文化財に指定された。
その他の建物は、平成21年(2009)に登録有形文化財に指定されている。


● 稲荷山妙教寺

門の奥に大イチョウ そして 本堂

大イチョウ:
 樹齢約400年を数える御神木。
 高さ約30m、幹の周囲は最大4.8m。
 昭和63年(1988)に岡山市の保存樹に指定された 。



2014年02月02日